子どもへの包丁の教え方【大事な5つのポイント】
お手伝いに慣れてきたのなら、次なるステップは包丁ですね。
いざ、挑戦しようとしても実際は分からないことだらけ…。
- どうやって包丁の使い方を教えてあげればいいの?
- ケガなく安全に使えるのかな?
- 包丁を使う際の補助は必要?
など、悩むお母さんお父さんは多いものです。
引き続き、食育・ハンズオンのプロ「サカモトキッチンスタジオ 主宰 坂本 佳奈さん」にアドバイスを頂きました。
子どもが安全に包丁を使ってお手伝いや料理ができるよう、気をつけたいポイントを教えて頂きました。
ご家庭で子どもが包丁を使うときに実践してみてください。
包丁を使う前にできるお手伝いや、子ども包丁の選び方などもご紹介しています。
子どもに包丁を教える大事なポイントは5つ
安全に使いこなすために、以下の5つのポイントを意識してみましょう。
各ポイントを更に詳しくご紹介していきます。
子どもが安全に包丁を使える環境を整えよう
大人が環境を整えるだけで、格段に子どもが安心して包丁を扱えるようになります。
まな板の高さと、おへその高さを合わせる
包丁を使う場所は、キッチンの作業スペースやダイニングテーブルなどがおすすめです。
テーブルなどの前に立った時に、まな板とおへそが同じ高さになるようにすると包丁が使いやすくなります。
身長が低い場合は、ステップ台を用意する
またキッチンやテーブルの高さが子供の身長に合っていない場合は、ステップ台などを使って作業しやすい高さに調節してあげることが大切です。ステップは子供用品店などで購入できます。
立つ位置は、まな板の中心(おへそ)と自分のおへそを合わせて
包丁を使う際は、まな板に対してまっすぐ立って作業することが大事です。
斜めに体が向いていると余計な怪我につながります。
「自分のおへそと、まな板のおへそ(中心部分)がこんにちはするようにしようね。」と教えてあげてください。
包丁を使うことに夢中になって、立つ位置がずれてしまった場合は「おへその位置を合わせよう」と声をかけてあげてください。
包丁の刃(危ない箇所)を説明しよう
当たり前ですが、包丁の刃を触って手を動かすと怪我をしてしまいます。
包丁を使い始める際に、まずはそのことをよく説明しましょう。
子どもに包丁の刃を見せながら、「ここを触って動かすとケガしちゃうからね」と具体的に伝えましょう。
おままごと用のおもちゃから本物の包丁を使いだすときに特に注意が必要です。
包丁の持ち方とねこの手、包丁の置き場所を教えよう
包丁の持ち方
包丁の刃が「切れる」と認識すると、怖がってハンドルの後ろの方を握ってしまう場合があります。
それでは切るときにしっかり力が入らず、安定しません。
利き手の親指と人差し指でハンドルの根元をつかみ、残り3本で支えます。
赤い鋲(びょう)がしっかり隠れる位置で握ってください。
きちんと持てたら「キレイな持ち方ができるね!」とほめてあげてください。
利き手と逆の手は「ねこの手」に
包丁を使わない手は、ねこの手にします。
「グー」のように握りこんでしまうと食材をうまく固定できません。
たまごを優しくそっと持つような形にすると、爪や指を切ることがありません。
包丁の置き場所
包丁は刃を外に向けて置くように教えましょう。まな板の外でも中でもOKです。
食材を切り終えた時、説明を聞く時など包丁を使わない時は必ず置くようにします。
「包丁の休憩場所はココだよ」と伝えれば、不用意に刃を触ることなく安全に使えます。
これで準備万端!安全にケガ無くお料理ができるようになります。
食材の切り方を教えよう
食材はまな板の中心(おへそ)に置く
食材はまな板の中心に置きましょう。さらに、まな板の上でゴロゴロ転がらない向きで置き、安定させましょう。
基本は食材の上から下へ。包丁をおろして切る
まずは食材の上から下へ垂直に包丁をおろして切ってみましょう。
慣れてきたら、「前後に刃を動かせるといいよ」と声をかけてみましょう。包丁は押し切りや、ひき切りをすると良く切れます。
もし、力が足りなければ包丁の背に手を添えてください。
食材が刃にくっついてしまったら
食材が包丁にくっついてしまったときは、包丁の背側から食材を滑らせるようにして取りましょう。
刃の下から指を入れると、ケガをしてしまいます。
「くっついちゃったら、『背中からすべりだい』でくっついたものを取ろうね」と声をかけてあげると良いでしょう。
大人の補助の仕方について
子どもが包丁を使っていると、大人はハラハラしがちです。
思わず子どもの手を握ってしまうことがあるかもしれませんが、それは逆効果です。
子どもの背後から大人が手を出さない
子供が切ろうとしているときに、後ろから大人が手を出してしまうと子供はストレスを感じてしまいます。
なるべく子供に触れないように教えてあげましょう。
特に包丁を持っている手をつかんでしまうと、子どもが嫌がって手を振り払おうとしてしまい大変危険です。
包丁を支える場合は、子どもの手ではなく刃先を持つ
どうしても包丁を支えたい場合は、切っ先の上の部分を掴んでガイドしてあげましょう。
子どもがハンドルを握っていれば「自分の力でやれている」感覚で包丁を使うことができます。
子どもを信じて、やらせてあげましょう
あとは極力、子供の自主性に任せてやらせてあげましょう。
「お手伝いができた!」「ぼく、わたしもできた!」
「危ない包丁も使えた!」
という達成感を感じることができ自信につながります。
小さなけがをする場合もあるかもしれませんが、お子様の可能性を信じて、ぜひチャレンジさせてあげてくださいね。
食育・ハンズオンのプロ「サカモトキッチンスタジオ」
1993年にオープンし、料理研究家の坂本廣子が提唱した体験型の子ども料理教室「キッズ・キッチン」を開講。
食べることはただ命の維持という役割だけでなく、心と体を育てる文化であり、幼児期から高齢期まで人生の四季を豊かに支える食文化を大切に伝えている。
創立者である坂本廣子さんは、サンクラフトの台所育児を監修。30年以上、食育実践のためのツールとして愛され続けている。