フランスの新年を祝う伝統菓子「ガレット・デ・ロワ」の魅力
フランスの新年に欠かせない伝統的な焼き菓子で、毎年1月6日の公現祭(エピファニー Épiphanie)をお祝いする際に食べられます。クレームダマンド(Crème d‘amande)をパイ生地で包んで焼いたもので、表面に美しい模様(レイエ)が刻まれています。
現在では1月6日だけでなく、1月に家族や友人が集まる際には欠かせないお菓子となっていて、日本国内でもケーキ屋さんパン屋さん問わず取り扱うお店が増えています。
パイ生地にアーモンドクリームを組み合わせたシンプルなお菓子ながら魅力いっぱいのガレット・デ・ロワを紹介します。
作り手の技術と個性が光る飾り切り「レイエ」
ガレット・デ・ロワの魅力は何と言っても表面の飾りの美しさ!
生地の表面に溶き卵を塗った後に小型のナイフやカービングナイフなどで切れ目を入れていきます。焼くことで切り込みが開き、ガレット・デ・ロワ特有の美しい飾り模様となります。
レイエを入れる作業は非常に繊細です。生地に薄く切り込みを入れていき、中のクリームがはみ出さないように気を付けながら細かな飾りを仕上げていきます。
伝統的なモチーフは大きく4種類。それぞれに縁起の良い意味が込められています。
渦巻き模様の太陽は生命力、葉が複雑に組み合わさった月桂樹やオリーブは勝利を、矢羽根は麦の穂と呼ばれ豊穣、格子模様はひまわりで栄光を表しています。
伝統的なモチーフにアレンジを加えたりとお店や作り手の個性がレイエで表現されます。
新年限定のお菓子なので店頭で見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。
誰に当たるかお楽しみのフェーヴ
ガレット・デ・ロワの中には「フェーヴ」(Fève)という小さな陶器が1つ入っています。切り分けた際にフェーヴが入っていた人は王冠をかぶり、王様(または王妃様)として祝福を受け、その年1年を幸運に過ごせるといいます。日本の運だめしやおみくじのような楽しさがあるケーキとして親しまれています。
年に一度のガレット・デ・ロワコンテスト
ガレット・デ・ロワはフランスではパティシエの審査課題にもなるお菓子です。毎年クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワが主催するコンテストが開催されています。
味はもちろん、外観の美しさが競われ優勝作品が発表されます。
コンテスト優勝者は翌年のコンテストで駐日フランス大使に直径1mもの大型ガレット・デ・ロワを献上するそうです。
2020年のガレット・デ・ロワコンテストで優勝した今西克彦シェフ
今西シェフは、2020年のガレット・デ・ロワコンテストで優勝した輝かしい経歴を持っている凄腕シェフ。クープナイフで飾り切りをお願いしました。クープナイフの商品ページでも紹介していますのでぜひご覧ください。